中途半端な生き方かもしれないけど、それでも自分を肯定してあげたい。

仕事のこと

去年、私は「事業継承はせず、勤務医であり続ける理由」といったタイトルで記事を書いていました。

自分の記事って意外と忘れているものですね。

その時と、今とではだいぶ状況が変化していることに気付かされます。

あれから半年もしないうちに父は亡くなりました。

亡くなってから半年たったのにも関わらず、父の携帯には患者様からの連絡が途絶えませんでした。

「歯が欠けてしまいました。助けてください。」

「入れ歯が壊れました。もう一度先生に治してほしいです。」

今まで父とぶつかり距離を置いてきた自分が、父の築き上げてきた医院を継承することは避けていましたが、留守番電話に残された患者様の声を聞いてると、いつの間にか私は行動を起こしていました。

そのまま留守番電話の声を無視することもできましたが、その場で立ちすくんでいる自分を客観視したら、そんな自分が嫌だったのです。

私は、貯金を切り崩し、それを運転資金として、事業を開始しました。

とは言っても、私は今の職場の仕事内容に満足しており、勤務先での仕事を続けていきたい気持ちもあったため、事業を開始した実家での診療は週1日だけとしました。

患者さんからしたら迷惑な話かもしれないけれど。

初めは、週1しか診療をしないのであれば、そんなに患者さんは来ないだろうと高を括っていました。

休業していた期間も半年以上に及ぶので、今まで通院していた患者さんは離れ、こちらから患者さんに連絡しても来ないだろうと。

しかし、いざ事業を始めてみると。患者さんはどんどん予約してくるようになりました。

週1しか診療日を設けていないのに。

当たり前かもしれませんが、週1しか診療日を設けていないので、予約は1ヶ月以上先まで埋まるようになってしまいました。

それでも来院される患者さんから「ありがとうございます。また来ます。」と言われます。

そして笑顔で帰られるのです。

予約が1ヶ月以上も先だというのに。

患者さんから感謝される理由なんて1つもありません。

私は、父の築いた場所で仕事をしているだけの存在に過ぎないのだから。

私は、一体何をやっているんでしょうか。

私は、一体何がしたいんでしょうか。

私は、今の職場が好きです。

子供と触れ合える時間や、歯周病や虫歯を治そうと思っている成人の患者様と一緒に“健口”を維持していくのが好きです。

でも、実家の周辺で困っている人にも手を差し伸べていきたい。

そして、副業としてコーヒーや本の生業もしていきたい。

やりたいことが多過ぎます。

私の生き方は中途半端で間違っているかもしれないけど、そんな自分を肯定してあげたいです。

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