“隠しごと” ではなく “悩みごと”

“隠しごと”ではなく“悩みごと”日々の出来事

以前、相方は私に“隠しごと”はないと言っていた。

人には隠しておきたい秘密が大なり小なり必ずあると思う。

そういった秘密を死ぬまで誰にも明かさずに自分の中で留めていく。

日本ではそれを「墓場まで持っていく」といった表現で用いたりもする。

親友に打ち明けられる秘密。

家族に打ち明けられる秘密。

生涯を誓い合った相手に打ち明けられる秘密。

自分にとっての秘密は、人によっては打ち明けられることもある。

逆に。

親友にも打ち明けられない秘密。

家族にも打ち明けられない秘密。

生涯を誓い合った相手にも打ち明けられない秘密。

自分にとっての秘密は、人によっては打ち明けられないこともあるだろう。

人によっては、それがどうでも良い秘密だったり、そんな些細なことを秘密にする必要なんてないと思う人もいるかもしれない。

もし全てを打ち明けられる人がこの世に存在するとすれば、それはどんな存在だろう。

ある日、棚の上から物を落として、物が床に散らばってしまった。

それを相方が拾って掃除をしてくれた。

すると「あっ!指輪だ!!」と嬉しそうに指輪を見つけた相方がいた。

その指輪は、相方が欲しい欲しいと言って、自分で購入した指輪だ。

私は、相方に婚約指輪も結婚指輪も買わなかった。

職業上、指輪をつけていると紛失することも多く、普段から身につけることはできないので、その指輪に大金をかける意味が見いだせなかったからだ。

そのことを相方に説明して、指輪に代わるものをお互い渡すと約束した。

普段の生活でも利用しやすい、例えば時計などだ。

しかし、これも人間の性なのだろう。

相方は、Instagramで婚約指輪や結婚指輪を交換しているポスティングを見たりしていると、自分も欲しくなってしまったようだ。

永遠の愛を誓い合う証として、または一生に一度のビックイベントの記念として、指輪を送りあったりする夫婦は多いと思うので、相方もそういった考えに至ることは当然のことだと思う。

相方は、私から指輪が貰えないなら自分で買おうと思い立ったのだ。

今まで相方は指輪を買ったことがない。

その理由は、私と同じ職業上の理由でだ。

だから、指輪を身につける喜びに胸を膨らませていた。

購入するときも目を輝かせていたのを覚えている。

指輪が自宅に届いて、指輪を身につけた時も満足気だった。

繊細でありながら、とてもシンプルで、どんな洋服にも合う指輪。

幸せそうだった。

ずっと大切にするんだとも言っていた。

それをみると、婚約指輪や結婚指輪を買わなかったことを悔やむ自分がいた。

相方を幸せにさせることを少し怠った気がするからだ。

その点に関しては本当に申し訳ないと思っている。

その大切にすると言っていた指輪が、掃除している床から見つかったのだ。

私は不思議に思った。

大切にすると言っていたその指輪は2週間前に購入したばかりだからだ。

相方
相方

「実は、大切にするって言った指輪を失くしてたんだけど、言えなかったんだよねぇ。へへへへへへ。」

相方は1週間前からその指輪を失くしていたことに気づいていたが、言えなかったらしい。

私に対する“隠しごと”はないと言ってたが、それ立派な“隠しごと”だよね。

そう思いの丈を相方にぶつけてみたら、

相方
相方

「ちがーう!これは“隠しごと”じゃなくて、“悩みごと”❤️」

夫婦になるのだから、是非ともそんな“悩みごと”も気軽に相談できるような間柄になりたいものだと思った。

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