「先生に見せようと思って持ってきたんだ」

仕事のこと

昨日、14歳の発達障害の子の治療をしました。

その中で、心温まる出来事がありました。

彼は病院に対する恐怖があり、治療がとても難儀でしたが、最近は5秒ずつお口を開けて治療を受けてくれるようになってきました。

そういった患者さんとは、ラポール(信頼関係)を構築するために、私は治療以外の話を積極的にするようにしています。

ただでさえ、病院という壁、マスク同士の会話、ユニットを挟んでの会話となるため、ラポールを構築するにはそういった障壁を越えていかなければなりません。

小さい子供だったら「今日の朝ごはん何食べたの?」とか、「何して遊んだの?」など、些細なことでも話をするようにしています。

その発達障害の子には、前回治療した際に「将来の夢とか、やりたい仕事ってある?」と聞いてみました。

すると、その子は「YouTuberになりたい」と教えてくれました。

YouTuberになるために、今はYouTubeに自分で撮影した動画をあげていることも教えてくれました。

いつもと同じように目を合わすことはできませんでしたが、それでも自分のことをたくさん話してくれるので、彼にとっては、将来の話題がとても楽しくて好きな話題だったのでしょう。

私は、それをカルテに記録しておきました。

そして昨日、その子が再び治療で来院した際に、その話をまた振ってあげました。

「動画撮影は順調?サムネイルとかどうしてるの?」と。

そう聞くと、彼なりに一生懸命考えながら作っていることを教えてくれました。

その後は、彼の奥歯の治療を行い、無事に治療を完遂することができました。

私が、ホッと一安心した束の間。

彼から「先生に見せたいものがある」と話しかけられました。

何を持ってきたのかと思ったら、それは自作で作った西武バスの模型でした。

一つ一つ画用紙に自分で絵を描いてるだけでなく、バスの中の手すりや吊り革、座席などの細かいところまで、全部自分で作っているそうです。

この模型の作成動画を、彼はYouTubeにアップしているそうです。

さすがに、その動画のアカウントは恥ずかしかったそうで、教えてくれませんでしたが。(笑)

ドアの開閉のギミックも自分で考えたそうで、ドアから中を覗くと車掌さんが立っています。

このミニチュア人形は、鉄道模型のお店に行き、この模型に使えそうな人形を選んで買っているそうです。

そして、最後に「これを先生に見せようと思って持ってきたんだ。」と彼が言いました。

その言葉を聞いた時、グッときましたね。

彼は、私のために、自分の大事な作品を持ってきてくれたんです。

素直に嬉しく思いました。

心温まる出来事に、私は感動して彼を抱きしめていました。

彼はとても純粋な心を持っています。

そんな彼に対して、私は引き続き誠意を持って接することを心に誓いました。

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