目標設定の難しさ
私の職場では時々新人が入社しますが、教育することの難しさをいくつか実感します。
臨床の中では、素直な人ほど上達するスピードが速いと感じます。
仮に上達が遅い人でも、丁寧にかつ具体的に技術と知識を与えていけば、少しずつではありますが必ず上達します。
その時、大切なのは短期目標と中長期の目標をそれぞれ設定してあげることだと思います。
目標設定がないまま仕事に取り組ませると、中弛みしてしまい、仕事に対しての積極性がなくなってしまうからです。
短期目標は設定しやすいのですが、なかなか中長期の目標を設定するのは難しいです。
将来像が見えないということもありますし、自分の個性や、得意なことがまだわからない等の理由が挙げられます。
本来、もっと定期的に個別の面談を設けて、自分自身と向き合い、じっくり考える時間を設けさせると良いのですが、業務中では患者さん対応に時間を割かれ、その時間を設けることが難しいのが現状です。
そして、それを私自身の仕事と併行してこなしていかなければならず、そこが教育の難しさを痛感させられます。
自分の業務と併行しての難しさ
私自身、歯科医師の職業に就いて9年目に突入していますが、まわりと比較するとまだまだ未熟なため、日々知識のアップデートをしながら、臨床の中でフィードバックを繰り返し、技術の研鑽を積んでいる最中です。
自分に精一杯のところもあり、教育というものから逃げ出したい気持ちもあります。
しかし、そこから逃げてしまうと、スムーズな治療ができなくなるばかりか、自分自身の成長も止めてしまいかねません。
「自分自身の成長・自分への将来投資」と考えながら教育を行なっている節があります。
新人の方には、仕事を前向きに取り組んでもらい、仕事に楽しさを覚えてほしいと思っています。
患者さんの目線に立って仕事をすることで、患者さんを倖せにすることができます。
患者さんが倖せになると、自分自身も倖せになれます。
自分自身が倖せになると、それが患者さんに伝わり、患者さんはさらに倖せを感じることができます。
新人は、そのようにして倖せの連鎖が生まれることを実感したら、成長への道を自ら歩んでいきます。
成長が喜びに繋がり、社会に貢献していることも感じると思います。
そして、そこから人生の豊かさも感じるはずです。
私たちはその歯車を止めないように支え、あとはそっと見守るだけで良いはずです。
価値観の違いからくる難しさ
しかし、これは教育の1つの方法であって、正解ではないということも認識しなければなりません。
育った環境や今まで取り組んできた活動によって、価値観が異なる人々が社会にはたくさん存在し、私が行う教育の受け取り方も人それぞれによって異なってくるはずだからです。
この価値観を是正していくことはかなり難しいです。
一流の指導者は、この価値観を少しずつ変化させていくことができると思いますが、現時点で、私にはこの価値観を是正するスキルはありません。
入社の面接の際にきちんと人を見て篩い分けすることが、この価値観の是正に繋がると今は思っています。
この、人対人の価値観の違いも教育の難しさに繋がっているような気がします。
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