「知らなかった、ぼくらの戦争」を読んで

本のこと

“戦争にまつわる本”を探す旅

この時期になると、NHKでは戦争についての特番をやりますよね。

私の場合、この時期になると戦争にまつわる本を読む習慣があります。

つい先日も、戦争にまつわる本がないか書店で探してきました。

私がよく行く書店は、池袋のジュンク堂書店。

医学書関係の本が多く扱われているので、とても重宝しています。

この日も医学書でめぼしい本がないか40分ほど探した後、目的の戦争関係の本を探す旅に出ました。

とはいっても、書店側もこの時期戦争関係の本を、消費者の目にとまりやすいように平積みのコーナーを作ってくれています。

なので、案外探す手間が省けて、旅に出る前に目的地に到着して大助かり。

その平積みのコーナーで一際ひときわ目にとまった書籍が、アーサー・ビナード著の「知らなかった、ぼくらの戦争」です。

書籍の内容をざっと確認してみると、文化放送で放送された戦争体験者に対してのインタビューの内容を加筆修正して製本された書籍のようでした。

そのインタビューに答えている戦争体験者の名前を見てみると、ちばてつやさんや、太田昌秀さんなど、私が尊敬している方の名前があったため、とても興味深く、すぐさま購入することを決めました。

書籍を読んだ感想

私は、アメリカの南北戦争などに興味はあるものの、なかなか他国の戦争についての情報を得るまでに至っていません。

興味はあるんだけど、他に優先順位が高くて、知りたい情報がいくつかあるからです。

例えば226事件だったり、沖縄戦、終戦、人権侵害、難民問題。

恥ずかしいことに、忙しいを理由に、なかなか情報を集めていないことも事実ですが。

なので、まずアメリカ人が日本の戦争について言及していることに、大変感心しました。

実際にこの書籍を読み、著者のアーサー・ビナードさんの日本の戦争に関する知識量の豊富さに驚きました。

きっと、その知識量がなければ戦争体験者の声を、多角的に分析することはできなかったでしょう。

そして彼は、その分析から読み解いた自分の見解を、素晴らしい表現で文章化しています。

その筆致ひっちの素晴らしさに私は感銘しました。

日本人以上に日本語に詳しい。

自分の不甲斐なさが露呈され、頭をハンマーで叩かれたような思いです。

この書籍の中で勉強になったことは、「パンプキン爆弾」に関してです。

「パンプキン爆弾」は、アメリカが原爆の模擬爆弾として使用したものです。

模擬爆弾だとわかったのは終戦から半世紀以上経ってからだそうですが。

アメリカが原爆の投下に先立って、綿密な準備を行なっていたことを示す重要な爆弾なのですが、私はこの書籍を読むまでその存在を知りませんでした。

この存在を知れただけでも、この書籍を読んだ価値はあったように思います。

本のこと
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