夏の読書習慣:その②

夏の読書習慣:その②暮らしのこと

夏の読書習慣:その②

前回の夏の読書習慣:その①からの続きです。

夏の読書習慣:その①

前回は、文字数が多くなってしまったため、また話が脱線ししてしまった関係で、記事を2つに分けさせてもらいました。

しかし、2つに分けようと思ったら、またさらに文字数が多くなってしまい、すいません。

その③の記事も書くことになりそうです。

前置きはこのぐらいにして、早速、この夏に読んだ芹沢光治良さんの【巴里に死す】という本について書きたいと思います。

祖母の本棚で出会った素晴らしい小説

まず、この小説のあらすじを簡単に紹介したいと思います。

見合い婚で夫と結ばれた主人公は、夫に過去に愛した女性がいること、そしてその女性から届いた手紙を未だに持っていることを打ち明けられ、衝撃を受けてしまいます。

見合い婚で夫から愛されるということを知らない主人公は、その女性に嫉妬し、夫が愛した女性のようになろうと努力していきます。

夫に愛されるために必死で努力をしていく一方で、自分への自信のなさから、本当に夫は私を愛してくれるのだろうかという不安に駆られてしまいます。

そんな弱い自分と、夫が過去に愛した女性とを比べてしまい、精神的に辛い時期を過ごすのですが、夫の子供をみごもってから主人公の心境は徐々に変わっていきます。

その頃から、結核にも悩まされ、夫からは中絶を勧められるが、主人公は自分が例え死ぬとしても、それでも子供を産みたいと、子供のために自己を捧げようとするのです。

“愛される”人になるのではなく、“愛する”人へと心境が変化したのです。

子供は無事に産まれましたが、結核のため主人公は療養所に入り、娘は保母に預けられ、離れ離れの生活を余儀なくされました。

そこで主人公は、闘病生活中に手記を書きはじめ、娘への愛を手記の中に残すことを決意します。

手記を書き始めていくことで、自分の弱さを客観的に見られるようになり、母親として精神的に強く成長していきますが、次第に主人公の病状は深刻になっていき、自分の娘に会えたり触れたりすることが現実的に不可能になってきました。

その苦しさや辛さは母親として計り知れないものだと思います。

ついに自分の娘の側で逝くことはできなかったが、娘を愛すればこそ、娘との訣別が死をも乗り越える精神へと昇華していきます。

この小説は、そんな主人公の人間としての成長と純粋な愛が語られた作品です。

戦時中にこの小説は書かれ、戦後にフランス語訳したものがパリで出版、そしてヨーロッパで大変高い評価を受けたそうです。(→ここらへんはWikiで調べました。)

この小説との出会いは、祖母の本棚でした。

生前、祖母は著者である芹沢光治良さんの書籍をよく読んでおり、本棚に著者の関連書籍がたくさん置いてありました。

私は、祖母の家の取り壊しの際に、本棚に置いてあった書籍たちを捨てるのがかわいそうで、それを自宅に運ぶことにしたのです。

恥ずかしながら、それまで私は芹沢光治良さんのことを全く知りませんでした。

しかし、実際に読んでみると、文学的にも素晴らしい作品であることに気づき、とても驚かされました。

祖母の本棚に置いてあった本を捨てなくて良かったと思いましたし、こういう発見があるから読書はやめられないとも感じます。

ちなみに、本棚との出会いも相まってか、私の人生の中で他人に勧めたいベスト本として【巴里に死す】はランクインしました。

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夏の読書習慣:その③

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