コーヒーにこだわりを持っている人であれば、見たこと、聞いたことのあるグラインダーではないでしょうか。
その名も、COMANDANTE(以降、コマンダンテと表記)。
世界中の現役バリスタから、卸しや農園業社など、幅広いコーヒーのプロフェッショナルに、高く評価されているドイツ製のコーヒーグラインダーです。
決して価格は安くないのに、コーヒーラバーにも大人気。
それにはいくつか理由があります。
持続した優れた切れ味
まず、コマンダンテが採用している刃部には、耐摩耗性が高いニトロブレードと呼ばれるステンレス鋼素材を使用しており、これにより優れた切れ味を持続することができています。
優れた切れ味は、コーヒー豆に負担をかけないため、挽いた後のコーヒーの香り、抽出の際に香るフレグランスに影響してきます。
引いては、カップの中に生まれる豊かなフレーバーや濁りのない味わいにまで繋がってきます。
軸ブレを限りなく少なくした構造
コマンダンテは、筒状ボディの中心にある回転軸シャフトを、均等に配列された３点支持フレームを上下2つ採用することよって、軸ブレを限りなく少なくしています。
そして摩擦抵抗を軽減するために、2つのボールベアリングを組み込むことで、ハンドルを回す力を必要最小限に抑え、過度な力をコーヒー豆に加えることがありません。
その挽き心地は、家庭で販売されている2000円前後のハンドグラインダーと比較してみると、その差は歴然です。
その心地良さは、一度使ったら病みつきになること間違いありません。
過度な力を抑えることは、軸ぶれも防ぎ、さらに安定した粒度を維持してくれます。
安定した粒度の重要性
安定した粒度が、なぜ重要かというと、微粉の発生を抑えることができるからです。
コーヒーの雑味は微粉によって生まれ、美味しい味わいはその微粉によって左右されます。
微粉の発生を抑えることが美味しいコーヒーにする方法でもあるのです。
微粉を抑えることができないグラインダーでは、サザコーヒーで発売されているパウダーコントロールストッカーを使用することによって微粉を除去することができます。
最近では、珈琲考具からもパウダーコントロールストッカーが発売されているようです。↓↓
しかし、このコマンダンテでは微粉の発生を限りなく抑えることができるため、パウダーコントロールストッカーを使わなくても美味しい味わいに仕上げることができます。
逆にパウダーコントロールストッカーを使ってしまうと、味わいが軽すぎて奥行きがなくなってしまいますので、使用するグラインダーの微粉発生量によってコントロールストッカーの使用を検討することが必要でしょう。
また安定した粒度は、微粉の発生を抑えること以外にも、抽出においても美味しさ向上に寄与します。
粉の粒子ひとつひとつから均一にコーヒーの成分を抽出をすることができるので、味わいのブレを少なくすることができるのです。
当時、コーヒーの抽出に大きく影響する粒度をここまで均一にできるハンドグラインダーは他にはなく、コマンダンテが業界に登場した時には衝撃が走りました。
以降、1Zpresso、TIMEMOREなど様々なメーカーがこぞって安定した粒度を備えたグラインダーを開発してきました。
ハンドグラインダーにここまでのニーズがあるとは誰も思っていなかったと思います。
まさにコマンダンテは先見の明があったと言わざるを得ません。
粒度スペクトルの広さ
この安定した粒度は、フレンチプレスから、ハンドドリップ、エスプレッソまでの全ての領域（スペクトル）をカバーします。
それも数十万円以上もするバリスタ公式の業務用ミルEK43と同等以上の性能を有したままカバーするのですから驚きです。
粒度の設定は、下部についているダイヤルを回すことで調整できます。
約52クリックまで調整できますが、それぞれの抽出にあった挽き目具合に関しては、後述するサイトが一番詳しく書いてあるので、それをお読みください。
付属品
【令和4年1月11日：追記】
キャニスターは透明なガラス製が１つと、不透明な黒のガラス製が１つ付属しています。
ガラス製のキャニスターは静電気の発生による微粉の付着が最小限に済むそうですが、実際に私が使用してみたのが以下↓の写真になります。
これを最小限と捉えるかは人によって様々かと思います。
正直、ガラスだからといって微粉がまったくつかないわけではなく、だからメーカーも最小限と記載しているわけで。
特に、粉をやや細挽き寄りにしてる私の使用方法では、微粉の付着は刃部周辺にも及んできます。
しかし、これを私はデメリットとは感じていません。
結局、毎回清掃してしまうので味わいには影響しないのです。
毎回掃除する面倒が増えるのは、どんな道具を使っていても許容しなければならないことではないかと思います。
実際、ガラス製のキャニスター内部は、水洗いもできますし、常に清潔を保つことができるので重宝しています。
コマンダンテを買う価値
先に述べたニトロブレードの製造には特別な工具と機械に加え、優れた職人の技術を必要とするそうです。
職人によってひとつひとつハンドメイドで作られているため、大量生産も難しく、ハンドグラインダーとしては36300円となかなかハードルの高い値段です。
しかし、その性能や心地よい使用感は言うまでもありません。
プロも太鼓判のハンドグラインダーを家庭に導入することで、その所有欲を心ゆくまで満たしてくれるのであれば、価格以上の価値がこのハンドグラインダーにはあるような気がします。
ただ、今は偽物も市場に出回っていたり、人気のため定価以上の価格で取引されるサイトが多く見受けられます。
私としては、納期まで数ヶ月を要するかもしれませんが、公式サイトで購入するか、取扱店舗で入荷したら即買いすることをお勧めします。
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