コーヒーの精製方法「パルプドナチュラル」について

コーヒーのこと

パルプドナチュラルとは

パルプドナチュラルとは、果肉を取り除いた後のミューシレージが残ったパーチメントコーヒーを乾燥させます。

もともとは、ナチュラルの精製方法が主流だったブラジルで開発された精製方法です。

ナチュラルのデメリットは、精製の段階で「未成熟果実」と「完熟果実」を選別することができませんでした。

しかし、このパルプドナチュラルは、工程の初期の段階でバルパー(果肉除去機)にかけるため、身が固い未成熟果実を取り除くことが可能になってきます。

日本では半水洗式と呼ばれますが、中米などではハニープロセスとも呼ばれ、近年ではコスタリカが力を入れている精製方法です。

このパーチメントコーヒーの周りに付着しているミューシレージの量によって、風味形成が異なってくるようです。

そのため、ここからさらに分類が細分化されています。

  • ブラックハニー:ミューシレージを50%以上残し、長期乾燥させたもの。(書籍によっては90%以上と明記しているものもあり)
  • レッドハニー:ミューシレージを50%以上残し、短期乾燥させたもの。(書籍によっては90%以上と明記しているものもあり)
  • イエローハニー:ミューシレージを25%以上50%未満残したもの。
  • ホワイトハニー:ミューシレージをほとんど(75%以上)除去したもの。

 

パルプドナチュラルのメリット・デメリット

続いては、パルプドナチュラルのメリッと・デメリットについて紹介していきます。

〈メリット〉

  • 未成熟果実を取り除けるため、完熟豆の均一性を高めることができる。
  • ウォッシュドと比較して、水洗の工程がないため、大量の廃液が発生せず、サスティナビリティが良い。
  • 風味の形成が豊か。

〈デメリット〉

  • 独特の粘液質により扱いにくいため、乾燥の際には頻回な攪拌が必要。

デメリットの補足として、ミューシレージという独特な粘液質で覆われているパーチメントコーヒーは、豆同士がくっつきやすい状態となっています。

くっついた状態が長く続くと、その部分の乾燥がうまくいかず、カビなどが発生して傷んできてしまいます。

そのため、頻回な攪拌を行う必要があるそうです。

まとめ

先ほども説明したように、パルプドナチュラルは完熟豆の均一性を高められる一方で、攪拌作業が大変になってしまうデメリットがあります。

この攪拌の仕方によっても、味わいは異なってくると言われているので、とても面白い精製方法でもあるのですが。

どの精製方法においても、一長一短があり、味わいに関しても甲乙つけ難いです。

人の嗜好は様々ですが、この精製方法の違いによる味わいの差についても、消費者に楽しんでもらえるようにしていければと考えています。

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