鳴子温泉での一時

鳴子温泉での一時日々の出来事
鳴子温泉での一時

あっちゅう間に楽しい時間が過ぎていく。

新幹線で古川駅まで。

そこから、陸羽東線に乗り換え、鳴子温泉郷へと行く。

帰省がてらの相方との旅路だ。

旅館に到着したのは、夜の19時。

鳴子温泉郷「吉祥」
鳴子温泉郷「吉祥」

ネットで事前に予約した旅館は鳴子温泉でも人気の「吉祥」さん。

1泊2日夕朝食付きの宿泊コースだ。

夕食は19時半から20時に会場に行かなければならない。

部屋に着いたら、早速コートや荷物を置いて、部屋に用意された浴衣に着替える。

部屋の真ん中に置かれたテーブルの上には鳴子名物の“くるみゆべし”が用意されていた。

いつもだったらお湯を沸かしてお茶を淹れて食べてしまうのだが、夕食が間近に控えているので食べずに我慢する。

夕食の席で相方に言われたのだが、実は今回の宿泊旅行は帰省以外にも目的があるそうだ。

私は、「そりゃあ決まってるでしょう。お祖母様へのご挨拶だよね?」と答えたら、相方は違うと答えた。

「じゃあ何なの?」と聞き返してみたら、次のように答えた。

「12月17日にお付き合いをして4周年を迎えたでしょ?お互い仕事で忙しかったし、なかなか私たちが出会えたことに感謝する機会がなかったから、家族に会いに帰省すると言いながら少しだけ自分たちのための時間を作りたかったんだよね。だから実家じゃなくて、旅館に泊まろうって提案したんだぁ。」

そうなのだ。

私と相方は、友人の紹介で出会い、そこで意気投合してお付き合いに発展した。

そこから、かれこれ4周年を迎えたのだ。

そして来年には結婚を控えており、夫婦となる。

お付き合いとしての関係は、今年で終わりを迎えようとしているのだ。

“終わり”という表現はおかしいかもしれない。

別に普段通りの関係性は変わらないのだが、法律上は夫婦となり社会的な責任も以前とは変わってくる。

そういった意味では節目を迎えるので、相方が考えているように2人の落ち着いた時間を持つことはとても大切なことだと思う。

だから、相方がこのような計画を企画してくれたことにとても感謝している。

本日の会席料理
本日の会席料理

豪華な夕食を食べながら、相方と語り合う時間。

「美味しいね。美味しいね。」

会話の中でシンプルな言葉しか出てこない時もある。

それでも、自分たちの好きな場所、自分たちの行きたい場所に行けるのだから、こんなに幸せなことはない。

夕食を食べたら部屋に戻り、私は1時間ほど爆睡した。

22時30分ごろには目が覚めたので、貸切露天風呂に行くことにした。

貸切露天風呂への道中、旅館のロビーでは名物の夜食のサービスが始まっていた。

吉祥さんでは毎日22時30分〜23時までの間、夜食の無料サービスが振る舞われるのだ。

夜食サービスは、この旅館の名物なのだから、食べないわけにはいかないじゃないか。

「吉祥」の名物“夜鳴きそば”
「吉祥」の名物“夜鳴きそば”

お腹の苦しさに耐えながらも、夜食の“夜鳴きそば”を食べる。

シンプルだけど、これが無料で食べられるのだがから美味しくないわけがない。

しかし、すでに私の胃は満腹の状態なので、勢いよくそばを啜ることができない。

箸でゆっくりと少しずつそばを口の中に運んで食べていく。

普通であれば、1分とかからず食べれる少ない量を、5分ほど時間をかけて食べた。

食べ終わったら、その重たいお腹を抱えながら、私は温泉に向かった。

少しだけ雪がちらつく夜
少しだけ雪がちらつく夜

空室だった貸切露天風呂は檜の風呂だった。

脱衣所で服を脱ぎ洗い場に行くのだが、外の気温は-7℃なので凍えるような寒さだ。

備え付けの洗剤で体を急いで洗うのだが、外で晒された洗剤はとても冷たくなっているため、洗剤を肌につけただけで猛烈に冷える。

ようやく体を洗い終わり、湯船に浸かろうとするのだが、今度は浴槽に張っているお湯がめちゃくちゃ熱くて入れない。

足先から入浴するが、熱い、寒い、熱い、寒いを繰り返しながら徐々に入浴深度を深めていく。

なかなか腰から上の領域が湯に浸かることができない。

浴槽の側にあった木の棒を使って、必死に湯揉みをしてみるとやっと湯が適温になり、肩まで浸かることができた。

少し熱いのだが、顔から上が寒いので、ちょうど良いだろう。

ここの温泉はただ熱いだけじゃなく、体に温泉の成分が染み込むような感じがする。

足先から手の先まで、ゆっくり、じんわりと。

10分ほど入浴すれば、体は芯まで温かくなり、皮膚から湯気が出るほどに。

そうなれば、脱衣所に戻ってもまったく寒くない。

自宅からもってきたフェイスパックで、デトックスした顔の肌に潤いを与える。

浴衣に着替え、部屋に戻れば、布団にまた入り、テレビをつけるだけだ。

お笑い番組や、歌番組を見ながら過ごしていると、すっかり夜も更けて、気づけば日をまたぎ夜中の1時半になっていた。

流石に夜も遅いので、「もう寝よう。」ということになり、電気を消して「おやすみ。」と相方と言葉を交わし床に着く。

今日の一時ひとときは、これで終わり。

私と相方は、誰が読んでもパッとしない、何気ない時間を過ごしただけだ。

何か物凄い特別なことをするわけではない。

しかし、何もせず気ままに過ごすことが、私たちの生活には必要なのかもしれない。

今日を振り返って再認識したことがある。

旅は良いものであるということ。

そして私たちは、定期的に旅に出ないとエネルギーがチャージされないらしいということを。

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