朝9時半。
朝食も取り終え、食器を洗いながらJ-WAVEのラジオを聴いていました。
そこではちょうど、ジョンカビラさんが本日のピックアップのコーナーで、ある映画についての話題を取り上げていました。
それが、タイトルにもある「ブライアン・ウィルソン/約束の旅路」です。
皆さんは『The Beach Boys』を知っていますか?
音楽に詳しい人であれば、彼らがどれだけ偉大な存在か知っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、大変申し訳ない。
私は、恥ずかしながら今日の今日まで彼らの存在を知りませんでした。
不詳私如きが彼らについて語るのはおこがましいが、ここでは映画の感想を述べていきたいため、知らない人向けに簡単に紹介をさせてほしい。
『The Beach Boys』は1961年、ブライアン・ウィルソン、デニス・ウィルソン、カール・ウィルソンの兄弟と、彼らの従兄弟であるマイク・ラブ、そして、同窓生である、アル・ジャーディンの5人で結成したバンドグループです。
その中でも、グループの作曲、プロデュースなどの中心的な役割を担っていた人物が、ブライアン・ウィルソンです。
卓越した作曲とオリジナリティあふれる編曲によって作られる作品は、まさに芸術であり、音楽業界を震撼させました。
この映画は、その“天才”とも言えるブライアン・ウィルソンに密着したドキュメンタリー映画です。
ここまでパンフレットをもとに要約させてもらいましたが、彼の存在を知らなかった私が彼の音楽性について言及することは間違いなく失礼であることは理解しています。
なので、ここからは映画全体についての感想について述べていきたいと思います。
先に述べたように、私は『The Beach Boys』、そしてその中心的な役割を担っていたブライアン・ウィルソンなる人物の存在を知りませんでした。
映画の中ではエルトン・ジョンなど音楽業界の重鎮達が、ブライアン・ウィルソンの音楽性の素晴らしさについて熱く語っています。
私は、ブライアン・ウィルソンの音楽が1960年代のアメリカの音楽にいかに影響を与えたのかを、重鎮達の語りによって理解することができました。
しかしこの映画は、“天才”と呼ばれた彼の音楽に対する類い稀な素質や凄さを理解するためのものではありません。
映画の中では、輝かしい栄光とは裏腹に、彼の苦悩が描かれています。
ブライアンは、周りの期待に応えなければならないプレッシャーからドラックに走り、精神疾患を患うようになります。
父親との確執、精神科医の洗脳紛
いの過剰な投薬による治療、兄弟や仲間の死。
自ら病に犯されながらも、自分の周りで起こるトラブルとぶつかり苦悩していきます。
素晴らしいキャリアとは真逆の二面性のある人生を彼は送っていたのです。
しかし、彼は自らの力で悲しみを乗り越えていきます。
そして80歳となった現在、彼は今も精神疾患と闘いながら、全米ツアーに臨み、音楽活動を精力的に取り組んでいます。
映画の中で、特に印象に残ったシーンがあります。
ブライアンが、車で亡くなった弟の邸宅の前に到着した時、その亡くなった悲しみから未だに弟の邸宅に足を運ぶことができないブライアンがいました。
仕方なくブライアンだけ車の中に残って待つのですが、そこには弟の死を悲しみ、瞳からこぼれ落ちる涙を拭うブライアンの姿がありました。
彼は“天才”と呼ばれた人物かもしれない。
しかし、そこには様々な苦悩と悲しみに立ち向かい走ってきた1人の人間の姿がありました。
その姿から語られる「人間味」に、私は胸を打たれ、相方は終始涙を流していました。
近年稀にみる哀愁漂う素晴らしい映画でした。
ぜひこの素晴らしい映画を、たくさんの方にみて頂きたいと思います。
私は、Amazonミュージックで彼の曲を聴き続けてハマっています。
ただのミーハーかもしれませんが、それも「人間味」があって良いように思います。
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