朝9時45分、東飯能駅で電車を待っていると、1組の老夫婦がいました。
2人ともハイキングに出かけるような格好をしてベンチに腰掛けていました。
しかし、2人の間には何やら険悪なムードが。
おじ様の方が声を張り上げて喋っていたので、奥様と何か喧嘩でもしているのだろうか?
私は、すぐ老夫婦の側にいき、2人の会話を耳をそばだてて聞いてみることにしました。
「え!?山!?」
「そう。友達が山に行ってきたんだって。」
「誰が行ってきただって!?」
「ほら。お友達のたえこさんよ。4人で山に行ってきたんだって。」
「え!?冴子さん!?」
「違うわよ。たえこさんよ。」
「たえこさんか!?どこの山に行ってきたんだって!?」
「お友達4人とね、伊吹山に行ってきたらしいわよ。3泊4日で。」
「え!?どこの山だって!?」
「い・ぶ・き・さ・ん。」
「え!?何!?伊吹!?」
「そう。伊吹山。」
「伊吹山!? 3人で行ってきたのか!?」
「や〜ねぇ。4人よ。よ・に・ん。」
「4人なのか!? で、何泊したんだ!?」
「3泊らしいわよ。」
「え!? 2泊!?」
「さ・ん・ぱ・く。3泊4日。」
「温泉付きの山か。それはきっと秘湯やな。」
いやいや。
どうしてそこで温泉付きの山が出てくるの?笑。
秘湯かどうかもわからないでしょう。と、ツッコみたくなりました。笑
険悪なムードに感じたのは、おじ様の耳が遠い関係で、声が大きいのと、語尾がいつも!?マークになってしまうからのようだ。
実際、会話の内容だけを追ってみると仲睦まじい夫婦のように思える。
それよりもとても優しい奥様だったなぁ。
長年連れ添ってるから、おじ様が耳が遠いことを理解しながら語りかける姿に心が一瞬震えました。
献身的に旦那さんを支えている様子がこの会話の中でも伺えます。
なんと素晴らしい奥様だ。
それにしても、なんで温泉付きの山なんだろう。
そしてなんで秘湯だと思ったんだろう。
おじ様の頭の中で考えていることをぜひ知りたい。
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