先日のコーヒーインストラクターの試験で、私は渋谷に赴きました。
私の場合、電車の遅延などが怖いので、受付の2時間前には試験会場周辺に到着しています。
そして朝食を取りながら試験勉強をしていると、ふと目の前のガラス越しに青年の姿を見つけました。
その青年の手には、白いゴミ袋とゴミばさみがあり、前のめりに腰をかがめて、足元に落ちているゴミを拾っていたのです。
しばらく観察していると、その青年の歩き方がぎこちないことに気がつきました。
足に障害を患っているようでした。
数メートル先には、別の青年がいて、目の前の青年と共に一緒にゴミを拾っていました。
その青年達の素性は詳しくは伺えなかったので、詳細はわかりませんが、おそらくゴミ拾いボランティアに関わっている方ではないかと推測しました。
そんな彼らがゴミ拾いをしている横で、酒に酔った大人達の姿がありました。
缶ビールを片手にゲラゲラと笑いながら、ゴミの真上を平然と闊歩して通り過ぎるのです。
そんな光景を目の当たりにすると、なんだか心が虚しくなってしまいます。
正直、渋谷という街が私は苦手です。
汚くて、空気が悪くて。
そういった悪いイメージしかないからです。
でも、ゴミを拾っている青年達の姿を見たら、渋谷という街も捨てたもんじゃないなと思いました。
渋谷を支えているのは、酒を飲んで理性を失った大人でも、政治家でも、企業でも、インフラでもない。
彼らのような「人」が、渋谷という街を形作り、渋谷を支えている。
私は、そのように感じたのです。
だから、私は店を退店した後に、彼らに一言声をかけました。
「ご苦労様です。」と。
『街を支えてくれてありがとう』という労いの意味も込めて。
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