いつもの日常。
朝、ベッドから起きると、背筋を伸ばし、硬くなった体をゆっくりとほぐす。
最近は、筋膜ローラーを使用して背中の筋膜をほぐすことも多い。
さぁ。
コーヒーを淹れよう。
この時間が1番楽しい時間だ。
まずは、お湯を沸かして。
お湯は、電気ポットで沸かしたものを、祖母から受け継いだドリップポットに移して注ぐようにしている。
祖母のドリップポットは、とても扱いにくい。
それでも祖母のドリップポットを使い続ける理由は、祖母に見守られているような気分になれるからだ。
次は、棚の上からグラインダーを出そう。
すぐ側には、“親愛なる隣人”が見守っている。
蓋を開けて、そこに新鮮なコーヒー豆を入れるのだが。
今日のコーヒー豆は、そうだなぁ。
しっかりとしたコクと酸味を感じたいから。
うん。コロンビアにしよう。
16gを中細挽きに。
ゴリゴリと手で挽く感触もこれまた楽しい。
ドリッパーは、MT.FUJI ドリッパーか、ORIGAMI ドリッパーを使うようにしている。
厚みを持たせたい時は、MT.FUJI ドリッパーを。
スッキリ飲みたい時は、ORIGAMI ドリッパーという具合だ。
最近は、カリタのウェーブドリッパーも仲間入りしているが、まだ味わいの調整に試行錯誤している最中。
早く、特徴を掴んであげないとな。
ペーパーフィルターは、アバカのペーパーフィルターを使うようにしている。
ハリオのペーパーフィルターより、湯の通りが良い印象があるからだ。
つーっとお湯が抜けていく感じが、クリアな味わいにつながっているように思う。
ペーパーフィルターは、ドリッパーにしっかりとフィットさせたい派。
かっちりしすぎず、だからと言って緩すぎもせず。
そこは、良い塩梅で、丁寧に織り込んでいく。
先ほどの挽き終わったコーヒー粉を、ドリッパーにセットしたペーパーフィルターに入れたら、少し横からトントンと粉をならしてあげる。
粉が平らだと、お湯を注ぐときに、お湯を気持ちよく迎え入れてくれるような気がするのだ。
新鮮すぎる豆の時は、炭酸ガスでお湯が反発を受けてしまうから、コーヒーベッドの中心に人差し指でくぼみを作ってあげたりもする。
ここからお湯を注いでいくのだが、実はここからの工程がとても難しい。
少し温度が下がったお湯を、平らにならした粉の中心に向かって注いであげる。
満遍なくお湯を注いで、すべての粉をしっかりとお湯に浸透させてあげることを意識する。
そこから、しっかり蒸らしをしてあげて、粉の内部から粉の表面に美味しい成分が移動するのを待ってあげるのだ。
時間にして1分。
1分経過したら、再び粉の中心にお湯をゆっくり注ぎ入れていく。
この時、あまり粉を踊らせないようにしてあげると、コーヒーが喜んでくれるような気がする。
お湯の注ぐ力で粉をかき回すやり方もあるのだけれど、私にはそれが荒っぽく見えてしまって、コーヒーが可哀想に思えてくるのだ。
だから、中心にだけそっと優しく注いであげることを意識している。
3分以内で注ぎ終えるようにして、あとはドリッパーから滴り落ちるのを待ってあげよう。
山は逃げないというけれど、コーヒーも逃げやしないから。
その間に、今日のカップを選んでおく。
常滑焼にしようか、それとも砥部焼にしようか、または萩焼にしようか。
私の日の気分や、コーヒーの種類によって、今日のカップを決める。
このカップを選んでいる時間もとても楽しい。
今日は、どれにしようかなぁ。
そうだなぁ。
朝の艶やかな気分を演出してくれるピンク色に呈した萩焼にしよう。
そうして選んだカップに余ったお湯を入れて、カップを温めてあげると、コーヒーの味の変化を長く楽しむことができる。
この変化を楽しむことが、コーヒーの醍醐味だと思っている。
カップの中から漂う芳醇な香りを楽しみ、そこからコーヒを一口啜れば口の中に広がる広大な世界へ旅することができる。
コーヒーを抽出して、飲み干すまでがコーヒーに酔いしれる魅惑の時間だ。
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