どんな本が好きか。
表紙のデザイン、ストーリー等々いろいろと好きの形は違うけれど、カテゴリーとしては伝記物が好きかもしれない。
その人の人生を知ることに、興味があるんだと思います。
自分の人生は一つしかないので、そんな時に他人の人生を知れると、新たな価値観から視野が広がり、自分の生き方の自由度が上がる気がするんです。
著者:島田潤一郎さん「あしたから出版社」。
この本は自分にとって、とても勇気づけられた本です。
〈就職しないで生きるには21〉シリーズとして晶文社から出版されている本ですが、こうゆう本に今まで出会ったことがなかったので、驚きとともに大変感銘を受けました。
当時、仕事をしないで生きていくことはできないもんか、畑仕事をしていきていくことはできないもんか、という甘い気持ちでこの本を手に取ってみました。
ただ闇雲に言われた通りの働き方をするのではなく、自分の好きを仕事にして生き方を模索していく。
紆余曲折しながらもその過程を綴ったシリーズなんですが、結局のところ著者の皆さんはきちんと仕事をしていらっしゃいます。笑
しかし、こんな生き方もありなんだ、これが正解の生き方なんだ、という固定概念がなくなったので、私にとってはとても新鮮な本となりました。
以降、島田潤一郎さんの書籍は、本屋で見かけたら手に取ってみるようになり、興味があれば購入することも多くなってきました。
この書籍の中では、島田潤一郎さんはバーナードマラマッドの「レンブラントの帽子」を復刊した経緯も書かれており、気になったので読んでみると素晴しい読後感だった。
すれ違う2人の情景を描いたストーリーで、素朴でありながら親しみが湧く、魅力的な小説。
いつまでも手元に置いておきたいと思うそんな短編集でした。
「さよならのあとで」という小説も素晴らしかった。
私は、母を62歳という若さで2年前に亡くしたが、何よりも母を亡くして一番辛かったのは父だったと思う。
この世から母がいなくなり、心の置き場がわからなくなった父は、「生きている意味がない」とまで言うようになり、毎日を生きていくのが本当に辛かったと思う。
そんな時に、私はこの本を父に渡しました。
父の口から「良い詩だね。」と純粋に言葉が出る、そんな永遠の別れで憔悴しきった父の心を少しだけ支えてくれたかけがえのない本だったと思います。
島田潤一郎さんの関連書籍は、どれを手に取っても胸を打たれるものばかりで、私の人生に影響を与えてくれた大切な存在でもあります。
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