8月15日は、日本がポツダム宣言の受諾を申し入れ、無条件降伏した日です。
日本では、一般的に終戦記念日と呼んでいます。
私は、この日が近くなると、いつも思い出す本があります。
著者:半藤一利さんの「日本のいちばん長い日」です。
半藤さんは自身を歴史探偵と称して、昭和の歴史に関する書籍を数多く残しました。
特に、この「日本のいちばん長い日」という小説は、終戦の前後に何が起こっていたのを、膨大な資料と遺族の証言に基づき時間軸で描かれているため、一種のミステリー小説を読んでいるかのように読み進められる、私のおすすめの本でもあります。
私は、この本と出会ってから、半藤さんの書籍が好きになりましたし、歴史を面白いと感じることができるようになりました。
実は、小説も面白いのですが、この原作をもとに描かれた2015年に公開された映画も面白いです。
主演は阿南惟幾陸相を演じる役所広司さん、昭和天皇を本木雅弘さん、鈴木貫太郎を山崎努さんが演じています。
過去には、主演を三船敏郎さんが演じた映画が1967年にも公開されていますが、この1967年版と違うのは、「昭和天皇実録」と鈴木貫太郎を描いた「聖断 昭和天皇と鈴木貫太郎」の要素も加えられて描かれていることです。
1967年版は、当時、昭和天皇が存命・在位中ということもあり、映画の中で描かれている天皇は「神」のような特別な扱われ方をされていましたが、2015年版では昭和天皇を1人の人間として描かれています。
そして、昭和天皇、阿南、鈴木の3人の掛け合いを、家族のように描いているところも、他にはない温かみのある作品に仕上がっている要因かと思います。
終戦を題材にしている映画は数多く存在していますが、「日本のいちばん長い日」ほど歴史を勉強でき、人の温かみを感じる作品はあまり見たことがありません。
配役が素晴らしかったこともありますが、原作が素晴らしいと映画も素晴らしいものが出来上がりますね。
残念ながら半藤さんは2021年1月に数多くの読者に惜しまれながらこの世を去ってしまいましたが、いまだに半藤さんの人気は後を絶ちません。
半藤さんは、歴史の過去を学び、私たちの「いま」を考えていく必要があると様々な書籍で繰り返し述べています。
ですが現在の日本を見ると、歴史の過去からきちんと学んでいるのか疑問に思ってしまうことが多くあります。
同じ過ちは繰り返してはいけないのですから、歴史の過去を学び、ぜひ「いま」そして「未来」考えていきたいものです。
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