私は、以前からアナログ的な土鍋という道具を使って、美味しいご飯を炊いてみたいと思っていました。
けれど、どうしても“火加減の難しさ”という調理のハードルが、土鍋を購入する気持ちを制していました。
しかし、ちょうどその時、友人から新築祝いとして土鍋を頂いたことをきっかけで、私は土鍋でご飯を作り始めることになったのです。
そしたら、この友人から頂いた土鍋がめちゃめちゃ使い勝手が良かったのです。
その土鍋というものが、長谷園の「かまどさん」です。
長谷園の「かまどさん」は、使い勝手が良いだけでなく、味わいも最高に美味しいご飯に仕上がったので、この土鍋の実力を読者の皆さんとぜひ共有したいと思いました。
今回の記事は、土鍋初心者の私が、長谷園の「かまどさん」を使用して感じた実力について、まとめたものとなっています。
この記事は次の方に向けて発信しています。
- 土鍋でご飯を炊いてみたい方。
- 土鍋で簡単に美味しいご飯を作りたい方。
- 長谷園の「かまどさん」の購入を検討している方。
長谷園の「かまどさん」の人気の秘密
1832年創業の長谷園は、伊賀焼の伝統と技術を守り続けながら、時代を見据えたものづくりに専念しているメーカーです。
その長谷園から生まれたプロダクトの1つが、「かまどさん」です。
長谷園の「かまどさん」が人気となった秘密は、「火加減いらずで、吹きこぼれもしない」という謳い文句で、『誰にでも簡単に美味しいご飯が炊ける』ことです。
実は、私の相方は「かまどさん」を喉から手が出るほど欲していました。
その相方曰く、その“炊き方のハードルの低さ”と“利便性”、そして炊きあがったご飯の“美味しさ”から、土鍋ご飯を食べたい人々から絶大な支持を得て、商品が品薄になったそうです。
火加減の調節がいらない
土鍋でご飯を炊く場合、一般的には火加減の調整が必要です。
「始めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣くとも蓋取るな」という言葉が昔から伝わっているように、飯盒や土鍋でご飯を炊く時は、吹きこぼれてしまわないように、火加減の調整が必要でした。
しかし、長谷園の「かまどさん」は、調理中の火加減の調整が一切必要ありません。
「かまどさん」は、ガスコンロで中強火で火にかけたら、あとは時間が経ったら火を止めて待つだけなのです。
秘密は土鍋の厚み
調理がこんな簡単に済む理由は、“土鍋の厚み”が関係しています。
長谷園のかまどさんは、普通の土鍋よりも、約1.5倍の厚みがあります。
この肉厚成型によって作られた土鍋によって、外側からの熱をしっかりと蓄え、それを土鍋の内側にじっくりと穏やかに熱を伝えるのです。
火加減を中強火にしていても、かまどの中では弱火の状態になっている。
そして火を止めた時には、今度はその土鍋の蓄熱性能によって、土鍋の中は常に100度近い温度帯がキープされているのです。
これによって、お米の芯までしっかりと火を通すことができる仕組みとなっています。
使う前に“目止め”の作業を行う
実際に、「かまどさん」を使い始める前に必要な作業があります。
それは“目止め”という作業です。
「かまどさん」は、伊賀の粗土を使っているため、購入時は多孔質な状態となっています。
そのまま使用すると水漏れや、ひび割れの原因となってしまいますので、これをお粥を炊くことで調整してあげます。
お粥のデンプン質で多孔質の状態を埋めることができるそうです。
ちなみに、ここで作ったお粥も、もちろん美味しかったので、ぜひ市販のお粥と食べ比べをしてみてください。
べちょべちょせず、お米の粒を感じることができると思います。
白米3合分を炊く
お粥を炊いて目止めを行ったら、いよいよご飯を炊いていきます。
今回は、3合分のお米を炊いていくことにします。
①研ぐ・浸水する
まず3合分のお米を計量したら、お米を研いでいきます。
我が家では、この研ぎ汁は植物たちに与えています。
研ぎ終わったら、ザルにあげて5分ほどしっかりと水気を切っていきます。
ここでしっかり“水切り”することで、「かまどさん」に投入するお米と水分の分量のバランスが適正化し、美味しいご飯を作ることができます。
水切りしたら、「かまどさん」にお米と分量の水を入れて20分浸水させます。
分量の水は、取扱説明書に記載の“炊飯目安早見表”のページを参考に水加減を調節していきます。↓
②蓋をセットする
20分経過したらいよいよ炊いていきます。
まずは中蓋をセットします。
中蓋をセットしたら、その上に上蓋をセットするのですが、この時、それぞれの蓋の穴の位置に注意してセットしていきます。
中蓋と上蓋の穴の位置が直角になるようにセットするのです。
穴を直角にすることで、米に程よい圧力がかかり、吹きこぼれを防止することができるそうです。
圧力がかかるということは、お米のα化(糊化)も促進されるのかと思ったのですが、厳密には完全な圧力がかかるわけではなさそうです。
取扱説明書に記載の“土鍋の中の温度推移のグラフ”を見てみると、土鍋の中の温度は100度に推移していました。
もし本当に圧力がかかっているのであれば、100度以上の温度帯になるはずなので、あくまでも吹きこぼれを防止する程度の圧力のようです。
③炊く
土鍋をコンロにセットしたら、ガスの中強火で炊いていきます。
各家庭によって中強火の解釈はまちまちだと思いますが、だいたい鍋底の釉薬がかかっていない白い部分の約半分の高さまで、ガスの炎が達することを目安にすれば良いそうです。
あとは、ひたすら11〜14分ほど待ちます。
この時、火加減の調整は一切必要ありません。
だいたい12分ほどで、上の写真のように勢いよく蒸気が出てきます。
3合炊きの場合は、蒸気が出てから1分ほど経過したら火を止めます。
もしおこげが食べたい場合は、ここからさらに1分時間を伸ばすと香ばしいおこげができます。
④蒸らし
火を止めたら、そのまま20分ほど蒸らします。
ここまで、火を点火し、火加減の調節も入らず、時間が経ったら火を止めるだけという工程でしたが、この工程のシンプルさは秀逸です。
美味しいご飯をいただく
20分経ったら、いよいよ蓋を開けていきます。
蓄熱性が高い土鍋なので、火傷に気をつけながら蓋を開けていきます。
中蓋を開けた時の状態です。
お米の一粒一粒が見事に立っているのがわかります。
見た目だけでもう美味しそうです。
炊けたお米にピンホール状の穴が空いています。
相方曰く、これはお米を美味しく炊けた証拠らしいです。
「かまどさん」に付属している宮島杓子で、土鍋の底の方から、ご飯をすくい上げていきます。
土鍋の内側にも釉薬を塗ってあるので、お米のこびりつきもあまりありません。
若干ですが、底の方におこげができていますね。
「かまどさん」で炊いたご飯を食べた感想
お茶碗にご飯をよそって、さっそく食べてみました。
今までの電気釜との違いは、まず香りから違いました。
炊き立てのお米の香りは、香りの中に甘みを感じるのですが、それが普段よりも透明感があって、とても澄んだ香りになっているのです。
そして、お米を口に入れた瞬間、舌に感じる甘みはより強く感じました。
きっと“おねば”が、米粒1つ1つにしっかりとコーティングされているんでしょう。
そして、噛むたびに甘みが少しずつ出るのですが、その噛み心地がとても気持ちいのです。
米粒を1つ1つしっかりと舌で感じることができます。
まとめ
私はこのブログを書くまで、長谷園の「かまどさん」が何故こんなにも人気なのか知りませんでした。
「土鍋で炊くことのハードルが低いにも関わらず、美味しいご飯を食べることができる。」
この点に関して、土鍋で美味しいご飯を食べたい人々のニーズに、「かまどさん」は見事にコミットしています。
私も、実際に「かまどさん」で食べたご飯に驚愕したほどです。
普段のご飯がここまで美味しくなるのであれば、高価な電気釜を買う必要性があまりないように思います。
土鍋というアナログ的なところも、現代の人にも人気な理由かもしれません。
土鍋の魔力に病みつきになりそうです。
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