私の結婚観は世間一般からすると、理解してもらえないところが多くあるような気がする。
私の結婚に対する考え方としては、結婚は“してもしなくてもどちらでも良い“というものだった。
結婚とは
まず前提として、結婚には大きく次の2つのニュアンスで世間では語られていることが多いと思う。
①入籍をして法的に夫婦になること。
②挙式と呼ばれる儀式を執り行うこと。
一般的には①のみを指すと思うのだが、私の周りでは②の意味も含んで語られていることが多い気がする。
これら2つの結婚というどちらのニュアンスにおいても、私は“してもしなくてもどちらでも良い”と思っていた。
“どちらでも良い”ので、結婚を執り行う理由が最初はなかなか見つけることができなかった。
結婚を行うことによるメリット
結婚を行うことによって、戸籍に入れる、配偶者控除を受けられる、財産を相続できる、といった法的なメリットがあるかもしれない。
しかし、その法的なメリットというものにも価値を見出せなかった自分がいました。
何故なら、法的な夫婦とならなくたって、大好きな相方と一緒に食事をすることもできるし、一緒に映画をみることもできる。
一緒にお互いの名前を呼び合うこともできるし、一緒にベッドの中で手をつないで寝ることもできる。
仕事だって続けることができるし、お互いを尊重し続けることもできる。
結婚をしなくても、これらのことは一生涯続けることができるじゃないかと。
結婚したからといって幸せが保障されるわけではないじゃないかと。
自分ベースの独りよがりな考え方だというのはわかっていますが。
独りよがりな考え方を改めてくれた兄の言葉
しかし、兄弟にこのことを話したら、次のようなことを言われました。
「ここは自由の国アメリカじゃない。日本で生きている限り、自分だけじゃなく相方の家族や友人、職場環境も配慮してあげてこそ、日本人としてではなく“人”としての責任を全うできるのではないか」
私は兄を尊敬していました。
兄に迷惑をかけてしまった過去もあるので、兄にこのように諭されてから私は考えが変わりました。
まず相方とその家族について考えるようになりました。
結婚をしなかった場合、相方の周りの反応はどうなるのだろうかと。
一緒に生活している中で、近隣住民など周りからの視線や変な噂話が広がるなど、相方に及ぶ精神的ダメージを心配しました。
また、相方の家族においても同じようなことが言えるかもしれません。
また、相方との間に子供を授かった場合はどうなるのかについても考えてみました。
結婚をせず、もし子供ができたら親権者は相方になると思います。
子供が大きくなってから、戸籍上は「父親がいない子供」ということを子供に明らかにした時、子供はどう感じるのだろうか。
子供が私の価値観に理解を示してくれれば大丈夫かもしれませんが、理解できなかった場合「父親がいない」ということに、心を痛めてしまう可能性があるのではないか。
私はこれらのことを何度も何度も反芻して考えました。
私は、一度考えが走り出したら止まらないタイプでして、結婚とはいったいなんなのか、誰がこんな制度を考え出したのかという極論すぎる領域まで到達してしまいました。
何故そういったことまで考えるのか。
おそらく、私は結婚しない理由を探していたのかもしれません。
バッシングを浴びせてくる者達
最終的に私は自分のエゴを取り去り、結婚しようと決意しました。
その際も、相方にプロポーズもせず、結婚についての話を相方に唐突に話し始めたため、相方はびっくりしていました。
実際に相方もプロポーズをしてほしかったと後になって吐露したこともあります。
後になって、私はその気持ちを理解し始め、相方に対して本当に申し訳ないと感じるようになりました。
それでも、相方は私の考えを尊重してくれました。
だから、せめて挙式や披露宴に関しては相方の理想を叶えてあげたいと思っています。
よく世間一般の常識を私にぶつけてくる人達がいます。
告白もなければ、プロポーズもなく、私は結婚指輪も用意していません。
奥さんが可愛そう。結婚する意味があるんですか?
そのように言われたこともあります。
その時いつも感じるのは、自分たちの価値観を私にぶつけないで欲しいと思ってしまいます。
世間一般と価値観が違うことは私自身十分に理解しているのです。
だから、そういうことを言われてしまうととても心が苦しくて社会から逃げ出したくなってしまいます。
とても住みにくい世の中だ。
それでもいつも側で支えてくれる相方
そういう暗い気持ちになっている時、相方はいつも私に言ってくれます。
「他人は他人。あなたはあなた。私は私。そして私たちは、私たちが正しいと思う生活をすればいいんじゃない?私はあなたと入れれば十分だし、あなたともっと楽しい生活を送りたいと思ってるよ。」
そう言ってくれる度に、私の中の暗雲とした気持ちがなくなり、一つの光明が降り注ぐが如く、私は世の中はまだ捨てたもんじゃないなと明るい気持ちになります。
本当に君がいてくれてよかったと思っているよ。
ありがとう。
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