朝、7時30分。
現在の気温は29度、曇り。
76年前は、今日と違って、青空が広がっていたそうです。
朝から学生達は、建物疎開に駆り出され、空襲による火災の延焼を防ぐために、軍事工場周囲の建物を取り壊していました。
国からの命令で働いていた彼らの悲劇は、オレンジ色を呈した一瞬の閃光から始まったそうです。
街は跡形もなく破壊され、多くの人々の生命が失われました。
その数は、約14万人と推計されています。
かろうじて生き残った人々は、身体に熱戦による高度な火傷や放射線障害が。
またある人は、凄惨な現実を網膜に焼き付けられ、消そうとしても消えない体験を記憶に刻まれ、精神的なダメージも負ってしまいました。
1年前、広島平和祈念資料館で、被曝の惨状を示す写真や資料を見て、核兵器の恐ろしさと非人道性を私は目の当たりにしました。
被爆者の苦しみや被爆者家族の苦しみを知ること。
それが後世に残された私達の勤めであると感じました。
本日、平和記念式典で小学生代表が平和への誓いを述べました。
“本当の別れは会えなくなることではなく、忘れてしまうこと。“
“私たちは、犠牲になられた方々を決して忘れてはいけないのです。“
私は、人間の過ちで1番恐ろしいことは、歴史を忘れることだと思います。
人間は同じ過ちを犯さないために、過去から学び、未来を考えなくてはなりません。
2021年1月には核兵器禁止条約が国際連合総会で発効を迎えました。
批准した50ヵ国の中には、まだ日本は締約国として入っていません。
核を保有し牽制し合っているロシア、アメリカ、フランス、中国、イギリスが不参加のことはもちろんのこと、アメリカの「核の傘」に依存している日本、ドイツ、韓国、ポーランド、イタリア、カナダもいまだに参加を表明していないのです。
広島の松井市長も述べていましたが、日本は世界で唯一の核被爆国であるのだから、核保有国と非保有国の橋渡しとなるよう、前向きな姿勢で努めていく責任があるのではないでしょうか。
平和記念公園の原爆死没者慰霊碑には次のような言葉が刻まれています。
「安らかに眠ってください 過ちは 繰返しませぬから」
全世界の人々と共有したい言葉です。
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