梅仕事の季節がやってきた
今年も、職人による梅仕事の季節がやってきました。
“梅仕事”とは、我が家でいう「梅シロップ作り」のことです。
そして、“職人”とは「相方」のこと。
職人が一念発起してシロップ作りを始めましたのは、3年前ぐらいでしょうか。
5月下旬から6月中旬ごろに梅の実がスーパーで出回るようになると、「梅仕事の時期がやってきたなぁ」と私も認識するようになってきました。
職人が梅仕事を始めたきっかけは私にはわかりませんが、側から見ていると楽しそうにシロップ作りをやっているようには見えます。
今ではそのように楽しそうに作っている職人も、最初は悪戦苦闘の毎日があったように思います。
悪戦苦闘の毎日
職人は、すべてにおいて「形」から入るタイプです。
梅仕事に必要な道具を一式揃える段階で、「この道具じゃなきゃダメだ」という断固とした“こだわり”があります。
私と同じで、職人は自分が不器用なのを知っています。
不器用さを、道具でカバーしようとしているのかもしれません。
だから良い道具がなければ、良いものはできないと考えるのではないでしょうか。
それじゃあ職人と呼ぶには程遠いかもしれませんが、当の本人の気持ちは十分に理解できます。
そのように完璧な道具を揃えたとしても、いざ梅仕事をスタートさせるとやはり自分の不器用さに悩まされていたようでした。
“洗い方はこれで良いのか。”
“灰汁取りはこれで良いのか。”
“氷砂糖の配分はこれで良いのか。”
自分の不器用さは、心配から不安へと変貌していきます。
なんせ、梅仕事は仕込みを終えたら翌日に出来上がるような代物ではないからです。
梅のエキスが出るように、そして梅を発酵させないようにするために、毎日かき混ぜなければなりません。
そうやって毎日かき混ぜて、3〜4週間ほどで完成します。
毎日毎日「これで大丈夫かなぁ」っという不安な気持ちに悩まされていたからか、当時の職人は終始顔が歪んだまま(心配そうな顔)だったように思います。
しかし、今では梅仕事も3年目に突入しました。
気持ちにも、だいぶ余裕もでてきたのか、梅仕事中でも笑顔の時間が増えてきています。
最近では「今日も梅仕事〜♪」なんてことを言いながらかき混ぜてるので、梅仕事に愛着が沸いてきているようです。
梅シロップのソーダ割りを夢見て
私は、ウィルキンソンの炭酸水を買ってきて、梅シロップのソーダ割りを作って飲むのが好きです。
キンキンに冷やしたグラスに、氷をたっぷり入れ、強炭酸の刺激と爽やかな酸味を感じるのが初夏の季節にはもう最高です。
その瞬間を夢見て、今日も職人の梅仕事を眺めています。
今か今かと、職人が作る梅仕事を待ち望んでいる自分がいるのです。
いつの間にか職人の楽しみは、自分の楽しみにも繋がっていることを改めて感じました。
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