「ウェスト・サイド物語」
相方にこの映画のことを聞いたら、見たことも聞いたことがないというので驚いてしまいました。
私が「ウェスト・サイド物語」で印象に残っているシーンといえば、シャーク団のリーダー:ベルナルドと側近2人が冒頭で踊るダンスシーンです。
あの軽快な指パッチンのリズムを刻みながら路地裏から広場に飛び出して、見事にシンクロした3人同時のY字開脚。
そのシーンが映画のポスターとなっていると思います。
この映画の魅力は、シャーク団とジェット団が加速度的に繰り広げていくダンスバトル。
それぞれの団の特徴を持ったダンスを互いにぶつけ合いながら抗争へと突入しますが、それに我々観客も徐々に引き込まれていきます。
そんな2つのギャング団が抗争を繰り広げている中、ダンスパーティーで一目で恋に落ちてしまうトニーとマリアの恋模様もこの映画の重要な構成要素の1つとなっています。
それはおそらく原作の「ロミオとジュリエット」以上でしょう。
私が思う映画史上もっともロマンス溢れる演出となっているのではないでしょうか。
その恋は皮肉にも成就することがなく終わってしまうところが儚くて心にグッときます。
私は終始映画の世界に魅了されたことを今でも覚えています。
移民問題や人種問題にもフォーカスを当てたこの作品は、まさにブロードウェーミュージカルの枠を超えた作品となっています。
まさに名作と呼ばれる所以ではないでしょうか。
この「ウェスト・サイド物語」という映画の中で、私が1番好きな曲があります。
トニーとマリアが恋を確かめ合いながら歌う『Tonight』という曲です。
『今夜すべては始まった。』
『あなたを見た瞬間に世界が変わったの。』
『あなたがいるから、ただの世界が星になる。』
誰しもが一度は経験するであろう“恋”という状況を、こうも見事に言語化していることに私は感嘆しました。
この作詞を担当したのは、アメリカのスティーブン・ソンドハイムさんです。
2015年にはオバマ大統領から大統領自由勲章を授与されたことでも記憶が新しいかもしれません。
そんなミュージカル界の巨匠として名を馳せたスティーブン・ソンドハイムさんの訃報を今日ラジオで知りました。
91歳でした。
私はすぐにYouTubeで『Tonight』という曲を視聴しながら、スティーブン・ソンドハイムさんの栄誉を称えました。
ご冥福をお祈り致します。
「ウェスト・サイド物語」は、来年2月11日にスティーヴン・スピルバーグ監督・製作で再び「ウェスト・サイド・ストーリー」としてスクリーンに戻ってきます。
この映画をきっかけに相方と現代に蘇った名作を楽しもうと思っています。
ぜひ、皆さんも視聴なさってみてはいかがでしょうか。
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